DQ11考察
※ネタバレありますので未クリアの方はお気をつけください※
すべてのストーリーを終えた後、戻る前の世界に残された仲間と世界はどうなっているのか?と疑問に思いました。
過去に主人公は(記憶を持って)逆行してベロニカが生きる世界を選択したけれど、残された世界がどうなったのか、ということは作中で語られていません。
時間が戻ったことにより世界が統合されたのか?とも思いましたが、それだとちょっと辻褄が合わないんですよね。
なぜなら二度目の世界線で仲間たちが、「遠い昔にこんなことがあったような気がする」(来たことがある、だったかな?塔に行ったとき)と言ったのです。
それってつまり、”記憶は持ってこなかったけれど時間は遡った”とも言える
。
ということは、主人公が戻ってきたのははじめの世界線の途中ではなく、”はじめの世界線を経た二度目の世界線”という世界であり、はじめの世界線とは別個であると言えるのです。
ならばはじめの世界線も主人公が時間を遡ったことで、その世界からはいなくなる。
ロトの剣も勇者もいない、世界を救った英雄たちだけが残った世界がひとつ、できたわけです。
だけど、主人公が遡った世界には当然仲間がいる。
精神体であるニズゼルファもついてきてしまった。
魔王も邪神も倒し、世界を救った主人公は、勇者の力を賢者セニカに渡しに行き、セニカはその力で勇者ローシュが生きていた時代へ遡っていきます。
ここで疑問がひとつ。
主人公が過去に遡ったときは王者の剣が砕け散りましたが(元ロトの剣である魔王の剣は二度目の世界線にもってきた)、セニカは一振りの剣を残して過去へいきました。
(二度目の世界線では複数王者の剣を作ることができるので、二振り以上あるとしたら何とも言えませんが、それをいったらどうしようもないので(鍛冶システムがあるので)、主人公が渡した剣は砕けず残ったということにしましょう。)
後日それは世界樹にロトの剣として奉納されることになります。
そう、つまり二度目の世界線はロトの剣の残る世界線であり、主人公と聖竜の会話でにおわされたロトシリーズに繋がる世界線でもある、ということなのです。
では、賢者セニカが戻った、セニカの世界線ではどうでしょうか。
ラストは3の冒頭をにおわすシーンでエンドとなりました。
わかりやすく、セニカの世界線は3に繋がる世界線だよ、と言ってくれたに間違いないでしょう。
先ほど世界は統合させたわけではないと言った裏付けにもなるのですが、セニカの世界線ではローシュがウラノスの裏切りによって死亡することがないので、邪神は封印されるのではなく討伐され、ウルノーガも誕生することはありません。
歴史は改変され、勇者ローシュと賢者セニカは結ばれ子を成し、後のユグノア建国に繋がっていくのでしょう。
ここからが本題です。
11のエンディング最後、オルテガの妻が本棚にしまった勇者の紋章の刻まれた本が2冊ありました。
1冊は作中に出てきた勇者ローシュのことを記した本でしょう。
もう一冊は…絵の中にいたのは11の主人公と仲間たちでした。
セニカの世界線では起きなかったはずの戦いが記されています。
それはつまり、二度目の世界線を経て過去に遡ったセニカだけが、2つの世界線の物語を知っているということに他ならないのです。
11の世界では軸をひとつとした3つの世界線が作られたということです。
しかし、二度目の世界線もロトシリーズに起因していることをほのめかしていますね。
なぜか、と考えたときに他の方の考察を読ませて頂いたのですが、ロトシリーズは1、2と3で存在する世界の場所が違う。ギアガの大穴を通じて上の世界と下の世界がある、ということに気が付かせていただきました。
セニカ世界線で続く世界は3の上の世界。
二度目の世界線で続くのはのは、1と2のアルフガレドではないかと。
で、ですね。色々なところで11主人公=竜王ではないかという考察がちらほら見かけられますが、もしもそうだと仮定した場合(それが転生にしろなんにしろ)、聖竜の思わせぶりな「もしかしたら後の世で戦うかもしれない」という言葉も、1と2の長年の疑問であった竜王の城になぜロトの剣があるのかという疑問にも説明がつく気がします。
思えばロトとは勇者の称号であって、固有名詞ではありません。1の勇者の祖先は3かと思っていましたが、称号なのですから血縁関係などあっても関係ありません。1の祖先こそ11なのかもしれません。
そしてそれがどうして竜王になったのかなんてのも情報が少ないのですし、裏付けもありません。
あくまで可能性があるということにここはとどめておきます。
そしてもうひとつ、これも色々なところで囁かれてる、仲間たちは天空シリーズの勇者や仲間たちの祖先、もしくは転生説です。
さすがに突拍子もないだろうと思いましたが、信憑性のある考察をされてる方もたくさんいるのであながち違うとも言い切れない。
ふと思ったのが、もしドラクエ11のテーマが「勇者の起源」だとするならば、それもこれもすべてしっくりきてしまうんですよね。
はじめの世界線に戻りましょう。あの世界線は、ロトの剣のない世界ということは先ほど書きました。
ロトの剣のない世界、つまり天空シリーズに起因するのでは?と。
これもまた、あくまで可能性の話です。完全に推測による予想でしかありません。
矛盾もありますし、私なりの考えた穴だらけの考察です。
(例えば主人公は勇者ローシュの生まれ変わりだと言われてるけど、ロウ勇者はご先祖様だと言っていることにはまだ説明が付きません。セニカの世界線だけなら納得できるんですが、はじめと二度目はローシュは死んでしまっているので???です。もしかしたらセニカでない人との間に子供を設けていたのかもわかりません。)
そもそもこうして考えていたのは、はじめの世界線ではすれ違い、二度目の世界線では分かり合うこともできなかったグレイグとホメロスがひたすら悲しく思えたからです。
この二人が分かり合える世界線はないのか、と。
でもきっと、セニカの世界線なら。
ニズゼルファもウルノーガも11主人公の前に現れない。
グレイグとホメロスは功を競いながら未来の女王であるマルティナを守り続けるし、ユグノアも滅ぶことなく主人公とマルティナは兄弟のように仲良く成長する。
ロウは子供と孫に囲まれたしあわせなおじいちゃんだろうし、グレイグと兄弟弟子のシルビアはサーカスの遠征でデルカダールを訪れることもあるだろうし、グレイグを訪ねることもあるだろう。
セーニャとベロニカは平和な世界ではメダル女学院に通ってるかもしれないし、そうしたらきっと母親に倣って女学院に通うマルティナと同級生として出会うだろう。
レッドオーブ狙ってきたカミュ兄弟だって、マルティナと主人公が捕まえていつのまに悪友になってしまってるかもしれない。
カミュと遊びまわってイシの村を見つけて、エマ達にただならぬ運命を感じるかもしれない。
セニカの世界線がみんな幸せになれるんだな、と考察したところでやっと気持ちに整理がつきました。
もしかしたら違うところもあるかもしれない。
そんなはずないだろって。
でもこの3つの世界線独立説が私的に、そうであればいいなぁと願う世界なのでした。
長文お付き合いいただきありがとうございました。